かんざし(簪)の種類と選び方|和装花嫁の髪飾りガイド
和装・衣装

かんざし(簪)の種類と選び方|和装花嫁の髪飾りガイド

和装の装いを完成させるうえで欠かせないのが、髪を美しく飾る「かんざし(簪)」です。結婚式の白無垢や色打掛はもちろん、成人式の振袖、七五三、留袖でのお呼ばれまで、かんざしが活躍するシーンは多彩です。

しかし、いざ選ぼうとすると「種類が多くてどれを選べばいいかわからない」「素材によって何が違うの?」と迷う方も少なくありません。

この記事では、かんざしの主な種類と素材の特徴、そして結婚式の花嫁やゲストにふさわしい選び方を詳しく解説します。


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かんざしの種類一覧|代表的な6タイプを解説

かんざしにはさまざまな形状があり、それぞれに歴史と特徴があります。ここでは和装で使われる代表的な6タイプを紹介します。

玉簪(たまかんざし)

1本の棒に丸い飾り玉がひとつ付いたシンプルなデザインです。飾り玉の素材には珊瑚、翡翠、瑪瑙、ガラスなどがあり、素材や色によって雰囲気が変わります。最近では、大きさや柄の異なる玉簪を複数本まとめて挿すコーディネートも人気です。

カジュアルな着物から結婚式のゲスト装いまで幅広く使えるため、かんざし初心者にも取り入れやすいタイプです。

バチ型簪(ばちがたかんざし)

三味線のバチのように扇形に広がった形状が特徴です。2本の足で髪に挿して使います。蒔絵や螺鈿で装飾された華やかなものから、べっ甲そのものの美しさを活かしたシンプルなものまで、デザインの幅が広いタイプです。

華やかに装飾されたバチ型は留袖や訪問着のフォーマルシーンに、装飾の少ないものは小紋や浴衣などのカジュアルシーンにも合わせられます。

平打簪(ひらうちかんざし)

薄く平たい飾りがついたかんざしです。飾り部分は円形、亀甲形、菱形、花型などがあり、透かし彫りや毛彫りで繊細な模様が施されています。江戸時代の武家女性に愛されたタイプで、上品で落ち着いた印象を与えます。

つまみ簪

「つまみ細工」の技法で作られた花モチーフの簪です。小さな正方形の布をピンセットでつまんで折りたたみ、花びらや蝶の形を表現します。別名「花簪(はなかんざし)」とも呼ばれ、華やかでかわいらしい印象が特徴です。

舞妓さんが季節ごとに替えるかんざしとしても有名で、振袖や花嫁の和装に特によく映えます。つまみ細工に興味がある方は、つまみ細工の作り方ガイドも参考にしてください。

櫛型簪(くしがたかんざし)

髪をとかす「櫛」の形をしたかんざしです。蒔絵や螺鈿の細工を施した工芸品としての価値が高いものも多く、前髪に挿して飾りとして使います。日本髪の花嫁スタイルでは、結い上げた髪の前方に挿す重要な装飾品として位置づけられています。

笄(こうがい)

元来は髪をまとめるための実用的な道具でしたが、装飾品としても発展しました。花嫁の日本髪に挿す正式な髪飾りは「花笄(はなこうがい)」と呼ばれ、金・銀・べっ甲などの高級素材で作られます。

かんざしの素材と特徴|べっ甲・つげ・金属の違い

かんざしの印象を左右する大きな要素が「素材」です。代表的な素材の特徴を比較します。

素材 特徴 価格帯の目安 向いているシーン
本べっ甲 軽量で温かみのある質感。使うほどに手に馴染む 17,600円〜数十万円 フォーマル全般
つげ(柘植) 静電気が起きにくく髪に優しい。経年で飴色に変化 数千円〜数万円 普段使い〜セミフォーマル
金属(金・銀) 華やかさと耐久性に優れる 数千円〜数十万円 フォーマル、花嫁
漆塗り 蒔絵や螺鈿との組み合わせで美しい工芸品に 数万円〜数十万円 フォーマル
アクリル・樹脂 手頃な価格で色柄のバリエーションが豊富 1,540円〜5,000円程度 カジュアル、普段使い

本べっ甲の魅力

べっ甲(鼈甲)はタイマイの甲羅から作られる天然素材で、黄色と褐色の美しい模様が特徴です。堅さと軽さを兼ね備え、体温で微妙に変形して使う人の髪に寄り添うように変化していきます。

本べっ甲のかんざしは京都十三やなどの専門店で17,600円から取り扱いがあり、K18金を使った高級品では数十万円のものもあります。「張りべっ甲」と呼ばれる樹脂にべっ甲を張り合わせた手頃な素材もありますので、予算に合わせて選ぶことができます。

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花嫁のかんざし選び|白無垢・色打掛に合わせるコツ

結婚式で和装を着る花嫁にとって、かんざしは装いの完成度を左右する重要なアイテムです。衣裳に合わせた選び方のポイントを解説します。

白無垢に合うかんざし

白無垢の場合、伝統的にはべっ甲のかんざしが正式とされています。べっ甲の温かみのある色合いが、白無垢の清楚な雰囲気を引き立てます。ゴールドやシルバーなど、淡い色味の金属素材も人気です。

白無垢には綿帽子や角隠しを合わせることも多く、その場合はかんざしが見えにくくなるため、綿帽子を外した後の披露宴でのヘアチェンジも考慮して選ぶとよいでしょう。

色打掛に合うかんざし

色打掛は着物自体が華やかなため、かんざしも色彩のある華やかなものが映えます。珊瑚や翡翠の飾り、パールやクリスタルで彩られたかんざし、つまみ細工の花簪など、着物の色に合わせたコーディネートが楽しめます。

結婚スタイルマガジンでも、「着物の色に合う色味のヘアアクセサリーを選ぶことが大切」と紹介されています。

洋髪スタイルとかんざしの組み合わせ

最近の和装花嫁では、日本髪だけでなくシニヨンやポニーテールなどの洋髪スタイルも増えています。洋髪の場合でも、つまみ細工の髪飾りや水引・組紐を使ったアクセサリーを加えることで、和の雰囲気を演出できます。

花嫁の和装小物全般については、筥迫・懐剣・末広ガイドも合わせてご覧ください。

結婚式ゲストのかんざしマナー|留袖・訪問着に合わせる

結婚式にゲストとして参列する場合、かんざしの選び方にはマナー上の注意点があります。

押さえておきたい基本マナー

  • 花モチーフのかんざしは控えるきものレンタリエの解説によると、花の髪飾りは花嫁の特権とされています。ゲストは花モチーフを避けるのが無難です
  • 大ぶりで目立つものは避ける:主役はあくまで花嫁。ゲストのかんざしは上品で控えめなデザインを選びましょう
  • べっ甲や漆塗りのバチ型が定番:フォーマルな場にふさわしい素材と形状です
  • パール飾りは万能:留袖にも訪問着にも合い、上品な印象を与えます

衣裳別のおすすめ

衣裳 おすすめのかんざし
黒留袖 べっ甲のバチ型、パール付き簪
色留袖 蒔絵のバチ型、金属製の平打簪
訪問着 小ぶりの玉簪、パールピン
振袖 つまみ簪、華やかな飾り簪

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かんざしの購入先|老舗専門店からオンラインショップまで

かんざしを購入できる主な専門店やショップを紹介します。

老舗専門店

  • かづら清老舗:慶応元年(1865年)創業の京都・祇園の老舗。芸舞妓御用達で、本漆の蒔絵螺鈿かんざし、本べっ甲、つまみ細工など幅広く取り扱う。石川県の加賀工房で職人が手作りしており、製作に3ヶ月以上かけるものも
  • 京都十三や:本べっ甲のかんざしを専門に扱う。K18金を使った高級品から比較的手頃な価格帯まで44点以上の品揃え
  • 銀座かなめ屋:アンティークのべっ甲かんざしも扱う専門店。白べっ甲の平打簪や珊瑚飾りの簪など、希少な逸品が見つかることも

オンラインで購入しやすいショップ

  • かんざし屋wargo:1,540円〜22,990円と幅広い価格帯。つまみ細工、水引細工、玉簪などの和装向け髪飾りが充実。成人式・結婚式・七五三など用途別に選べる
  • Creema・minne:ハンドメイド作家によるオリジナルかんざしが見つかるマーケットプレイス。つまみ細工の花簪やビーズ細工など、個性的なデザインが豊富

アンティークのかんざしに興味がある方は、アンティーク着物の魅力の記事もご覧ください。

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かんざしの正しい使い方と保管方法

せっかく手に入れたかんざしを長く愛用するために、使い方と保管のポイントを押さえておきましょう。

基本的な挿し方

  1. 髪をまとめてねじり上げる
  2. ねじった髪の根元にかんざしを差し込む
  3. かんざしの先を頭皮に沿わせるように回転させる
  4. 毛束をすくい上げるようにして固定する

玉簪や一本挿しは上記の方法で使えますが、バチ型や櫛型は形状に合わせた挿し方があります。結婚式など大切な場面では、美容師に仕上げてもらうのが安心です。

保管のポイント

  • べっ甲:乾燥を避け、柔らかい布に包んで保管する。直射日光に長時間当てると変色の原因に
  • 漆塗り:傷がつきやすいため、他のアクセサリーと重ねず個別に保管する
  • つげ:椿油を薄く塗ると艶が保てる。水に弱いため乾燥した場所で保管
  • 金属:汗や皮脂を拭き取ってから保管する。変色防止のため密閉袋が有効

かんざし以外の和装ヘアアクセサリー

かんざし以外にも、和装の髪を飾るアクセサリーにはさまざまな種類があります。

アクセサリー 特徴 向いているシーン
水引 結ぶ・編むなど多彩なデザインが可能 結婚式(花嫁・ゲスト)
組紐 和の色彩が美しい。洋髪にも合う 結婚式、成人式
生花 季節感があり華やか。ただし萎れるリスクあり 結婚式(花嫁)
造花 生花より長持ち。写真映えも良い 結婚式、成人式
パールピン 上品で場を選ばない。複数使いも可能 フォーマル全般

和装小物全般のリメイクに興味がある方は、着物のリメイク・買取ガイドも参考にしてください。


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よくある質問(FAQ)

Q. 結婚式の花嫁にはどんなかんざしがふさわしいですか?

A. 白無垢にはべっ甲や金銀の正式なかんざしが伝統的です。色打掛には着物の色に合わせた華やかなかんざしやつまみ細工の花簪が人気です。洋髪スタイルの場合は、水引や組紐を使った髪飾りも選択肢になります。

Q. べっ甲のかんざしの値段はどのくらいですか?

A. 本べっ甲のかんざしは17,600円程度から、K18金を使った高級品では数十万円のものもあります。「張りべっ甲」(樹脂に本べっ甲を張り合わせたもの)であれば、より手頃な価格で本物の質感を楽しめます。

Q. 結婚式のゲストがかんざしを付けるときの注意点は?

A. 花モチーフの華やかなかんざしは花嫁の特権とされているため、ゲストは控えましょう。べっ甲のバチ型やパール付きの上品なかんざしが安心です。また、大ぶりで目立つものは避け、主役である花嫁を引き立てる装いを心がけてください。

Q. かんざしはどこで購入できますか?

A. 本格的なかんざしは、かづら清老舗(京都)や京都十三や、銀座かなめ屋などの専門店で購入できます。手頃な価格帯のものは、かんざし屋wargoなどのオンラインショップや、Creema・minneなどのハンドメイドマーケットプレイスでも見つかります。

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