神前式とは?流れ・費用・服装マナー完全ガイド
和の文化

神前式とは?流れ・費用・服装マナー完全ガイド

神前式とは、神社の神殿で神道の作法にのっとり結婚を誓う日本の伝統的な挙式スタイルです。白無垢に綿帽子、参進の儀の厳かな雰囲気に憧れるカップルも多いのではないでしょうか。

この記事では、神前式の歴史から当日の流れ、費用相場、服装マナー、メリット・デメリットまでを包括的に解説します。神前式を検討中の方はもちろん、参列予定の方にも役立つ情報をまとめました。


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神前式とは?歴史・由来と基本を解説

神前式の定義

神前式(しんぜんしき)は、神社や結婚式場・ホテル内の神殿で斎主(さいしゅ=式を執り行う神職)の進行のもと、神様の前で夫婦の誓いを立てる挙式スタイルです。神社本庁によれば、二人の結婚を氏神様に報告し、感謝と祈りを捧げる儀式として位置づけられています。

神前式の歴史

現在の神前式の原型が生まれたのは1900年(明治33年)のことです。当時の皇太子殿下(後の大正天皇)の御結婚の礼が、皇居内の賢所(かしこどころ)で神前にて行われたのが契機でした。

この慶事を記念し、東京大神宮(当時の日比谷大神宮)が一般向けの神前結婚式を始め、やがて全国の神社に広がりました。それ以前の日本では、自宅の床の間に祝い膳を設けて行う「祝言(しゅうげん)」が一般的な婚礼の形だったため、神社の神殿で行う結婚式は画期的な出来事として注目を集めたのです。

神前式が選ばれる理由

ゼクシィの調査では、挙式を行ったカップルの約15〜20%が神前式を選択しています。「日本人らしい伝統的な挙式をしたい」「白無垢に憧れがある」「家族の絆を感じられる」といった理由で支持されています。

神前式の儀式の流れ|参進の儀から退下まで

神前式は約30分間で進行します。ここでは代表的な10の儀式を順に紹介します。

1. 参進の儀(さんしんのぎ)

「花嫁行列」とも呼ばれる儀式です。雅楽の演奏が流れるなか、神職・巫女を先頭に、新郎新婦と両家の親族が一列になって社殿へ向かいます。境内をゆっくりと歩むこの時間が、神前式ならではの非日常的な空気感を生み出します。

2. 入場・着席

社殿に到着したら、新郎新婦は神前に向かって右側が新郎、左側が新婦の位置に着席します。両家の親族も所定の席に着きます。

3. 修祓の儀(しゅばつのぎ)

斎主が祓詞(はらいことば)を述べ、お祓いを行います。参列者全員が起立し、頭を下げて心身を清めます。

4. 祝詞奏上(のりとそうじょう)

斎主が神前にて祝詞を読み上げ、ふたりの結婚を神様に報告します。結婚の感謝と、末永い幸せを祈願する大切な儀式です。

5. 三献の儀(さんこんのぎ)=三々九度

神前式の中でもっとも印象的な儀式のひとつです。大・中・小の三つの盃で、新郎と新婦が交互にお神酒(おみき)を飲み交わします。各盃で3口ずつ、合計9回の所作を行うため「三々九度」と呼ばれます。夫婦の固い絆を結ぶ意味が込められています。

6. 誓詞奉読(せいしほうどく)

新郎新婦が神前に進み、誓いの言葉を読み上げます。多くの場合、新郎が本文を読み、新婦が自身の名前を続けて述べる形式です。

7. 指輪の交換

本来の神前式にはなかった儀式ですが、現在ではほとんどの神前式で取り入れられています。

8. 玉串奉奠(たまぐしほうてん)

榊(さかき)の枝に紙垂(しで)を付けた「玉串」を神前に捧げる儀式です。新郎新婦、続いて両家の代表者が行います。玉串を時計回りに回し、根元を神前に向けて置いた後、「二拝二拍手一拝」の作法で拝礼します。

9. 親族杯の儀(しんぞくはいのぎ)

両家の親族全員がお神酒をいただき、両家の結びつきを祝います。この儀式により、ふたりだけでなく家族同士の絆が固く結ばれるとされています。

10. 斎主祝辞・退下(たいげ)

斎主が祝辞を述べ、一同で退下します。参進の儀と同様に列をなして社殿を後にし、神前式は終了です。

和装の着付けに関心がある方は和装の着付けの流れもあわせてご確認ください。当日の準備時間をイメージしやすくなります。

神前式の費用相場|初穂料・衣装・会食の内訳

神前式の総費用

マイナビウエディングの調査によると、神前式の費用総額は約46万〜85万円が目安です。教会式(チャペル式)と比較するとやや低めの傾向にあります。新郎新婦のみで行う場合は10万〜45万円程度に抑えられることもあります。

費用の内訳

項目 費用目安 備考
初穂料(挙式料) 5万〜15万円 神社に納める謝礼。神社により異なる
衣装レンタル(新婦) 15万〜40万円 白無垢・色打掛。小物込みの場合あり
衣装レンタル(新郎) 3万〜10万円 紋付羽織袴
ヘアメイク・着付け 5万〜15万円 和装着付けは技術が必要なため高め
会食・披露宴 20万〜50万円 1人あたり1万〜2万円程度
写真撮影 5万〜20万円 スナップ撮影+集合写真
その他(招待状・引出物等) 3万〜10万円 ゲスト数による

初穂料の相場と注意点

初穂料とは、挙式を執り行ってくれる神社への謝礼です。相場は5万〜15万円で、格式の高い神社では10万円以上になることもあります。金額は神社の公式サイトや直接の問い合わせで確認できます。

初穂料の支払いには注意点があります。

  • のし袋(紅白結び切り)に「初穂料」または「御初穂料」と記載
  • 表書きの下に新郎新婦両方の名前を記載
  • 新札を用意するのがマナー
  • 式当日に社務所に渡すケースが一般的

和装での前撮りも検討している方は和装前撮り費用ガイドで費用感を比較してみてください。

神前式の服装マナー|新郎新婦・親族・ゲスト別

新郎新婦の服装

新婦の衣装

衣装 特徴
白無垢 神前式でもっとも格式が高い衣装。掛下から打掛までが白で統一される
色打掛 赤・金・黒など華やかな色合いの打掛。白無垢のお色直しとしても人気
引き振袖 振袖の裾を引いて着る衣装。色打掛より軽やかな印象

新婦の髪型は「文金高島田」にかつらを使用するのが正式ですが、洋髪に綿帽子や角隠しを合わせるスタイルも増えています。着物の柄選びに迷ったら着物柄一覧が参考になります。

新郎の衣装

新郎は五つ紋付き羽織袴が正装です。黒が正式ですが、紺やグレーの紋付を選ぶ方もいます。

親族の服装

母親
– 和装:五つ紋付黒留袖(既婚女性の第一礼装)
– 洋装:ロング丈のフォーマルドレス

父親
– 和装:五つ紋付羽織袴
– 洋装:モーニングコート

その他の親族
– 既婚女性:黒留袖または色留袖
– 未婚女性:振袖または色留袖・訪問着
– 男性:三つ紋・一つ紋の羽織袴、またはブラックスーツ

ゲスト・友人の服装

ゼクシィのマナーガイドによれば、神前式に参列する友人ゲストは洋装でも和装でも問題ありません。

女性ゲスト
– 訪問着・付け下げ(和装の場合)
– 肌の露出を控えたフォーマルワンピースやドレス(洋装の場合)
– 白は避ける(新婦の色)

男性ゲスト
– ブラックスーツまたはダークスーツ
– シルバーグレーや淡い色のネクタイ

共通の注意点
– 革製品やファーは避ける(殺生を連想させるため)
– 素足は厳禁。靴下またはストッキング必須
– 遅刻厳禁(参進の儀の後は途中参加不可)


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神前式のメリット5選

1. 日本の伝統美を体感できる

雅楽の調べ、白無垢と紋付袴、社殿の荘厳な空気。五感で日本の伝統美を感じられるのは神前式ならではの魅力です。

2. 家族の絆が深まる

親族杯の儀では、両家全員がお神酒をいただきます。ふたりの結婚だけでなく「家と家の結びつき」を実感できる点が、参列者からも好評です。

3. 費用を比較的抑えやすい

教会式はオルガン奏者・聖歌隊などの費用が加算される場合がありますが、神前式は初穂料と衣装代が主な出費です。挙式のみであれば10万〜30万円程度に収まることもあります。

4. 写真映えする場面が多い

参進の儀の花嫁行列、三々九度の盃、玉串奉奠など、絵になるシーンが数多くあります。境内の自然や朱塗りの社殿を背景にした写真は、一生の宝物になるでしょう。

5. 和装への憧れを叶えられる

「一度は白無垢を着てみたい」という想いを叶えられるのも大きな魅力です。花嫁小物の筥迫・懐剣・末広なども、和装ならではの奥深い美しさがあります。

神前式のデメリットと対策

1. 参列者が親族中心になりがち

伝統的に神前式は親族のみの参列が基本とされてきました。ただし、最近は友人の参列を歓迎する神社も増えています。事前に神社へ確認し、収容人数の範囲で友人を招待できるか相談しましょう。

2. 天候に左右される

参進の儀は屋外を歩くため、雨天時は中止または変更になることがあります。雨天対応の有無は神社ごとに異なるため、事前確認が必須です。

3. バリアフリーへの対応

歴史ある神社の社殿は段差が多く、車椅子の方やご高齢の参列者にとって移動が大変な場合があります。ホテル内の神殿を選ぶとバリアフリー対応が整っていることが多いです。

4. 和装の負担

白無垢や色打掛は重量があり、長時間の着用は体力を使います。着付けにも1〜2時間かかるため、当日のスケジュールに余裕を持つことが大切です。

挙式スタイルの比較|教会式・人前式との違い

ハナユメの情報も参考に、3つの挙式スタイルを比較します。

項目 神前式 教会式 人前式
場所 神社・ホテル神殿 教会・チャペル 式場・レストランなど自由
宗教 神道 キリスト教 宗教不問
衣装 和装が基本 ドレス・タキシード 自由
費用目安 5万〜30万円(挙式のみ) 10万〜30万円 5万〜20万円
参列者 親族中心(友人可の神社あり) 制限なし 制限なし
雰囲気 厳かで伝統的 華やかでロマンティック 自由でカジュアル
所要時間 約30分 約30分 約20〜30分
演出の自由度 低い(伝統作法に沿う) 中程度 高い

「和装も着たいけど式は教会式にしたい」という方は、前撮りで和装を楽しむ方法もあります。和装フォトウェディングとはで詳しく紹介していますので、挙式スタイルと組み合わせて検討してみてください。

東京でおすすめの神前式ができる神社

ここでは東京都内で神前式を行える代表的な神社を紹介します。各神社の詳しい情報はCER-02の記事で解説していますので、そちらもご参照ください。

明治神宮

初穂料15万円〜。参進の儀が行われる荘厳な境内は都内屈指のスケールです。収容人数は親族席約40名。明治記念館での披露宴との組み合わせが人気です。

東京大神宮

「東京のお伊勢さま」として知られ、神前結婚式の創始と深い縁がある神社です。初穂料5万円〜。飯田橋駅から徒歩5分のアクセスの良さも魅力です。

乃木神社

六本木・赤坂エリアに位置し、都心でありながら落ち着いた雰囲気の挙式が行えます。挙式後に併設のレストランで会食できるプランもあります。

赤坂氷川神社

東京十社のひとつで、緑豊かな境内が特徴です。少人数での神前式にも対応しており、アットホームな雰囲気を求めるカップルに人気があります。

芝大神宮

東京都港区に鎮座する「関東のお伊勢さま」。1,000年以上の歴史を持ち、浜松町駅から徒歩5分とアクセスも便利です。

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神前式の準備チェックリスト

スムーズな当日を迎えるために、準備のポイントをまとめました。

6か月前〜3か月前

  • 挙式する神社を決定し、仮予約を入れる
  • 初穂料・収容人数・写真撮影ルールを確認
  • 衣装の試着・予約
  • 会食会場の手配

2か月前〜1か月前

  • 招待状の発送
  • ヘアメイク・着付けの手配
  • 誓詞の確認(神社から用意されることが多い)
  • 引出物の手配

2週間前〜前日

  • 最終フィッティング
  • 神社との最終打ち合わせ
  • 初穂料の準備(新札・のし袋)
  • 当日のタイムスケジュール確認

当日の持ち物

  • 初穂料(のし袋に入れて)
  • 結婚指輪
  • 補正用タオル(着付け用)
  • 白足袋・肌襦袢などの和装小物
  • 雨天時の対策グッズ

神前式と和装前撮りの組み合わせ方

挙式前に和装前撮りをするメリット

神前式当日はスケジュールがタイトなため、ゆっくりとした撮影が難しいケースが少なくありません。事前に和装での前撮りを行っておくと、以下のメリットがあります。

  • 時間を気にせずさまざまなポーズで撮影できる
  • 当日着ない衣装(例:挙式は白無垢、前撮りは色打掛)も残せる
  • ウェルカムボードや招待状に写真を活用できる

和装前撮りの準備や流れについては和装前撮り完全ガイド2026で詳しく解説しています。

入籍記念の和装フォトという選択肢

「神前式は考えているけれど、まずは入籍記念に和装で写真を撮りたい」という方には、セルフフォトウェディングという選択肢もあります。プロが着付けとセッティングを担当し、おふたりだけのプライベート空間で撮影を楽しめるスタイルです。

よくある質問(FAQ)

Q. 神前式に友人は参列できる?

A. 神社によって異なります。伝統的には親族のみの参列が基本ですが、近年は友人の参列を受け入れる神社が増えています。事前に神社へ問い合わせて確認しましょう。ただし、社殿の収容人数に限りがあるため、友人を含めると親族の席が減る場合があります。

Q. 神前式は何宗でなくても挙げられる?

A. はい、挙げられます。神前式は仏教やキリスト教など他の宗教を信仰していても問題ありません。宗派を問わず、日本の伝統的な婚礼として多くのカップルに選ばれています。

Q. 白無垢と色打掛、どちらを選ぶべき?

A. 挙式中は白無垢を着用し、披露宴や会食でお色直しとして色打掛に着替えるのが一般的です。もちろん、挙式から色打掛を着用することもできます。神社によっては衣装の制限がある場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。

Q. 雨の日の神前式はどうなる?

A. 多くの神社では、雨天時は参進の儀を省略するか、屋根のある回廊を通るルートに変更して対応します。社殿内の儀式は予定通り行われるため、挙式そのものが中止になることはほとんどありません。

Q. 神前式の所要時間はどのくらい?

A. 挙式自体は約20〜30分です。支度(着付け・ヘアメイク)を含めると、挙式前に2〜3時間の準備時間が必要になります。会食や披露宴を含めた全体のスケジュールは4〜6時間が目安です。

まとめ

神前式は、参進の儀や三献の儀(三々九度)など日本古来の儀式を通じて、夫婦の絆と両家の結びつきを神様に誓う格式高い挙式スタイルです。

費用は初穂料を含めて総額46万〜85万円が目安で、挙式のみであれば10万〜30万円程度に収まるケースもあります。服装は新婦が白無垢・色打掛、新郎が紋付羽織袴が正式で、親族やゲストにもフォーマルな装いが求められます。

「和装での挙式を考えている」「入籍の記念に和装姿を残したい」という方は、まず和装を実際に着てみるところから始めてみてはいかがでしょうか。


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