1. はじめに：フォトウェディングだけを選ぶ理由

近年、結婚式のスタイルが多様化し、挙式や披露宴を行わず、写真撮影のみを行う「フォトウェディングだけ」を選択するカップルが増えています。 なぜ、多くのカップルが「フォトウェディングだけ」を選ぶのでしょうか？

その背景には、結婚に対する価値観の変化や、ライフスタイルの多様化があります。 かつては、盛大な挙式・披露宴が主流でしたが、近年では、費用や準備の手間、時間的な制約などから、よりシンプルで自分たちらしいスタイルを重視する傾向が強まっています。

理由	詳細
費用を抑えたい	挙式や披露宴に比べて費用を抑えることができ、その分を新生活やハネムーンに充てることができます。
時間がない	仕事が多忙で、結婚式の準備に時間を割けないカップルにとって、手軽に結婚の記念を残せるフォトウェディングは魅力的です。
自分たちらしく	形式にとらわれず、自分たちの好きな場所で、好きな衣装で、自由に撮影できる点が大きなメリットです。
親族への配慮	親族が高齢であったり、遠方に住んでいたりする場合、移動の負担などを考慮してフォトウェディングを選択するケースも増えています。

これらの理由から、フォトウェディングは、現代のカップルのニーズに合った、新しい結婚の形として注目を集めています。 次の章では、フォトウェディングだけのメリットについて詳しく見ていきましょう。

2. フォトウェディングだけのメリット

(1) 費用を抑えられる

フォトウェディングだけの最大のメリットは、費用を抑えられることです。挙式や披露宴を行うとなると、会場費、 catering、衣装レンタル、招待客へのおもてなしなど、様々な費用が発生します。これらの費用は合計で数十万円から数百万円に及ぶことも少なくありません。

一方、フォトウェディングは、写真撮影にかかる費用が中心となります。撮影場所、衣装、ヘアメイクなどのオプションによって費用は変動しますが、一般的には挙式や披露宴に比べて費用を抑えることができます。

項目	挙式・披露宴	フォトウェディング
会場費	数十万円～	数万円～
衣装	数十万円～	数万円～
料理・飲み物	ゲスト人数×1万円～	不要
引き出物	ゲスト人数×数千円～	不要
その他（招待状、席次表など）	数万円～	不要
合計	数百万円	数十万円以下

上記はあくまで目安ですが、フォトウェディングは挙式・披露宴に比べて費用を抑えられることがわかります。費用を抑えたいカップルや、結婚式の費用を他の用途に充てたいカップルにとって、フォトウェディングは魅力的な選択肢と言えるでしょう。

具体的に費用を抑えられるポイントとしては、下記のような点が挙げられます。

• 会場費：挙式会場や披露宴会場を借りる必要がないため、会場費を抑えることができます。ロケーション撮影の場合、公共の場所や自然の中など、無料で撮影できる場所を選ぶことも可能です。
• ゲストへのおもてなし：招待客を招かないため、料理、飲み物、引き出物などの費用は不要です。
• その他：招待状、席次表、席札などの印刷物や、演出にかかる費用も不要です。

これらの費用削減により、浮いた費用を新婚旅行や新生活の資金に充てることができます。

(2) 時間的な制約が少ない

フォトウェディングは、挙式や披露宴に比べて時間的な制約が少ないことが大きなメリットです。結婚式の場合は、会場の予約状況や日取りの吉日などを考慮する必要があり、準備期間も含めると1年以上かかる場合もあります。また、招待客の都合に合わせて日程を調整する必要も出てきます。

一方、フォトウェディングは比較的短い期間で準備が可能です。撮影時期も自由に選べるため、仕事やプライベートのスケジュールに合わせて調整しやすいというメリットがあります。

項目	挙式・披露宴	フォトウェディング
準備期間	6ヶ月～1年以上	1～3ヶ月程度
所要時間	数時間（挙式・披露宴）	数時間（撮影）
日程調整	会場、招待客の都合に合わせる必要あり	比較的自由に設定可能

具体的な例を挙げると、

• 繁忙期を避けて撮影できる
• 短期休暇を利用して撮影できる
• マタニティフォトと組み合わせられる

などが挙げられます。このように、時間的な制約が少ないフォトウェディングは、忙しいカップルや、遠方での撮影を希望するカップルにとって最適な選択肢と言えるでしょう。

(3) 負担が少ない（親族やゲストへの配慮など）

フォトウェディングは、結婚式や披露宴に比べて、親族やゲストへの負担が少ない点が大きなメリットです。具体的には、以下のような負担軽減が期待できます。

• 金銭的負担の軽減： ゲストはご祝儀を用意する必要がなく、遠方からの参加であれば交通費や宿泊費もかかりません。新郎新婦にとっても、ゲストへのおもてなしにかかる費用を大幅に削減できます。
• 時間的負担の軽減： 結婚式や披露宴は、準備から当日の進行まで、多くの時間を要します。ゲストも拘束時間が長く、スケジュール調整に苦労する方もいるでしょう。フォトウェディングであれば、撮影時間のみで済むため、双方にとって時間的な負担が軽減されます。
• 精神的負担の軽減： 結婚式や披露宴では、席次や演出、ゲストへの対応など、様々なことに気を配る必要があります。親族への挨拶や、スピーチなど、プレッシャーを感じる場面も多いでしょう。フォトウェディングでは、そのような精神的な負担を軽減し、よりリラックスした状態で撮影に臨むことができます。

項目	結婚式・披露宴	フォトウェディング
ゲストの金銭的負担	ご祝儀、交通費、宿泊費など	なし
ゲストの時間的負担	出席のための移動、拘束時間	撮影協力の時間のみ
新郎新婦の精神的負担	ゲストへの配慮、演出、進行など	衣装選び、ポージングなど

このように、フォトウェディングは、関係者全員にとって負担が少ない選択肢と言えます。特に、高齢の親族や、遠方に住む友人などがいる場合は、フォトウェディングが最適な選択となるでしょう。

3. フォトウェディングだけのデメリット

(1) 祝福や共有の機会が少ない

フォトウェディングは、挙式や披露宴を行わないため、親族や友人から直接祝福を受ける機会が少なくなります。結婚式という儀式的空間で得られる、厳粛な雰囲気での承認や、多くの参列者からの祝福は、人生における大きな喜びであり、感動的な体験です。フォトウェディングだけの場合、これらの体験は得られません。

メリット	デメリット
費用を抑えられる	祝福や共有の機会が少ない
時間的な制約が少ない	親族の理解を得にくい場合がある
負担が少ない（親族やゲストへの配慮など）	後々、結婚式をしたくなる可能性

また、結婚式は、人生の節目として、親族や友人と喜びを共有する貴重な場でもあります。結婚式という祝いの席を設けることで、普段なかなか会えない親族や友人と交流を深めたり、これまでの感謝の気持ちを伝えたりする機会が生まれます。フォトウェディングの場合は、このような共有の機会が限られてしまうため、親族や友人との関係性が希薄になってしまう可能性も考えられます。特に、高齢の親族の中には、結婚式という形式を重んじる方もいらっしゃるため、理解を得られない場合もあるでしょう。

これらの点を踏まえ、フォトウェディングだけを選択する場合は、祝福や共有の機会をどのように補完するかを事前に考えておくことが大切です。例えば、少人数での食事会や、写真や動画を共有するオンラインイベントなどを企画することで、親族や友人と喜びを分かち合うことができます。

(2) 親族の理解を得にくい場合がある

フォトウェディングは、費用や時間などの面でメリットが多い一方、親族の理解を得にくい場合があります。特に、結婚という人生の大きな節目を伝統的な形で祝いたいと考えている親世代にとっては、結婚式や披露宴を行わない選択は受け入れ難い場合もあるでしょう。

理解を得にくい理由	対応策
結婚式は当然するものと考えている	事前に結婚式の意義について話し合う
親戚付き合いを重視している	写真やアルバムを共有することで、結婚の報告を行う
祝いの場を設けてほしいと考えている	食事会などを検討する
周囲の目を気にしている	周囲の考えに左右されない意思を伝える

親族からの反対意見として、「結婚式はするもの」「お披露目の場がないのは寂しい」「親戚への配慮が足りない」といった声が挙げられます。こうした意見は、結婚に対する価値観の違いから生じるものです。

親族の理解を得るためには、事前にしっかりと話し合い、フォトウェディングを選択する理由やメリットを丁寧に説明することが大切です。また、写真やアルバムを共有したり、食事会などを開催したりすることで、親族の気持ちを汲み取り、歩み寄る姿勢を示すことも重要です。

しかし、どうしても価値観の相違が埋まらない場合もあります。最終的には、自分たちの意思を尊重し、納得のいく選択をすることが大切です。その際も、親族への感謝の気持ちを忘れずに、丁寧な対応を心がけましょう。

(3) 後々、結婚式をしたくなる可能性

フォトウェディングは手軽で魅力的ですが、人生の節目を写真という形だけで残すことに、後々、物足りなさを感じる可能性があります。特に、周囲の友人や親族が結婚式を挙げる様子を目にすることで、自分も結婚式を挙げたいという気持ちが芽生えるケースも少なくありません。

状況	気持ちの変化
友人の結婚式に出席	華やかな演出や、祝福に包まれる雰囲気を目の当たりにし、自分も体験してみたくなる。
親族の集まり	結婚式を挙げていないことを改めて意識させられ、親族に申し訳ない気持ちになる。
子供が生まれた	子供の成長と共に、家族の思い出として結婚式の写真を残したいと考えるようになる。

結婚式は、人生における大きなイベントです。フォトウェディングとは異なり、多くの参列者に祝福され、喜びを共有する特別な体験ができます。また、結婚式という儀式を通して、夫婦としての自覚が深まり、絆が強まるという側面もあります。

フォトウェディングを選択した場合でも、将来、結婚式を挙げるという選択肢は残されています。しかし、年齢を重ねるにつれて、結婚式へのハードルが高くなることも事実です。そのため、フォトウェディングを選ぶ際には、将来的な気持ちの変化も考慮に入れ、後悔のない選択をすることが重要です。

4. 後悔しないための注意点：フォトウェディングを成功させるポイント

(1) 事前のイメージ共有とプランニング

フォトウェディングを成功させるためには、事前のイメージ共有と綿密なプランニングが不可欠です。具体的には、撮影場所、衣装、ヘアメイク、ポーズなど、様々な要素を事前に決めておく必要があります。

まず、撮影場所についてですが、スタジオ撮影、ロケーション撮影、あるいはその両方など、希望に合わせて選びましょう。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分たちのイメージに合う場所を選びましょう。ロケーション撮影の場合は、季節や天候も考慮が必要です。雨天時の代替案も検討しておくと安心です。

次に、衣装選びです。ウェディングドレス、カラードレス、和装など、様々な選択肢があります。それぞれの衣装のイメージや雰囲気を事前に確認し、希望のスタイルを明確にしましょう。ドレスの試着は、余裕を持って予約することをおすすめします。

ヘアメイクも重要な要素です。どのようなヘアスタイルやメイクにしたいのか、写真や画像などを参考にしながら具体的にイメージを伝えましょう。事前の打ち合わせで、ヘアメイク担当者としっかりとイメージを共有することが大切です。

ポーズについても、事前に考えておくとスムーズです。自然な表情やポージングで撮影するために、いくつかのポーズを練習しておきましょう。写真スタジオのウェブサイトや雑誌などを参考にするとイメージが湧きやすいでしょう。

これらの要素を整理するために、表形式でまとめるのもおすすめです。

項目	内容	備考
撮影場所	スタジオ、ロケーション（海、山、庭園など）	雨天時の代替案も検討
衣装	ウェディングドレス、カラードレス、和装など	試着は余裕を持って
ヘアメイク	希望のスタイルを具体的に伝える	写真や画像を参考に
ポーズ	自然な表情、ポージング	事前に練習しておくと良い

これらの要素をパートナーと共有し、一緒にプランニングを進めることで、より満足度の高いフォトウェディングを実現できます。

(2) パートナーとの話し合いと合意形成

フォトウェディングは、お二人にとって一生の思い出となる大切なイベントです。だからこそ、パートナーとの十分な話し合いと合意形成が不可欠です。

項目	話し合いのポイント
希望のスタイル	ロケーション、ドレス、写真の雰囲気など、お互いの希望を共有しましょう。写真集やウェブサイトを見ながらイメージを膨らませるのもおすすめです。
予算	フォトウェディングにかける費用について、事前にしっかりと話し合っておきましょう。費用の内訳を明確にすることで、後々のトラブルを防ぐことができます。
スケジュール	撮影日や準備期間など、お互いのスケジュールを調整し、無理のない計画を立てましょう。余裕を持ったスケジュールにすることで、心にゆとりを持って撮影に臨めます。
親族への報告	フォトウェディングを行うことを親族にどのように報告するか、事前に相談しておきましょう。親族の意向も考慮しながら、報告のタイミングや方法を検討することが大切です。

これらの項目について、お互いの考えを尊重し合いながら、じっくりと話し合うことが大切です。フォトウェディングに対する考え方に違いがある場合は、その理由や背景を理解しようと努め、妥協点を探りましょう。

また、話し合いの内容を記録に残しておくこともおすすめです。後から見返すことで、当初の計画を確認することができますし、認識のずれを防ぐことにも繋がります。

パートナーとしっかりと話し合い、合意形成を行うことで、フォトウェディングをよりスムーズに進めることができます。そして、お二人にとって最高の思い出となる1日を創り上げましょう。

(3) 写真以外の演出も検討する（ムービー、アルバムなど）

フォトウェディングは写真撮影が中心ですが、他にも思い出を形に残す方法があります。写真以外の演出を取り入れることで、より一層記憶に残る1日となるでしょう。

例えば、写真だけでなく動画撮影を依頼すれば、当日の雰囲気や表情の変化をより鮮やかに記録できます。また、エンドロールムービーを作成し、結婚式の披露宴のように上映することで、感動的な演出も可能です。

アルバム制作も大切なポイントです。写真のセレクトやレイアウト、素材などにこだわって、世界に一つだけのオリジナルアルバムを作成しましょう。

その他、下記のようなオプションも検討してみましょう。

演出	説明	メリット
ドローン撮影	上空からのダイナミックな映像を撮影	普段見られない視点からの美しい景色と、お二人の姿を記録できる
ロケーションムービー	ロケーション撮影の様子を記録したムービー	撮影風景やメイキング映像として、思い出をより鮮明に残せる
アルバムの種類	様々なタイプのアルバムから選択可能（フォトブック、高級アルバムなど）	ニーズや好みに合わせて最適なアルバムを作成できる

これらの演出を追加することで、フォトウェディングの体験価値が向上し、より豊かな思い出として残すことができます。予算や希望に合わせて、最適なオプションを選びましょう。

5. まとめ：フォトウェディングだけで最高の思い出を

フォトウェディングは、結婚式とは違う魅力を持った、特別な体験です。費用や時間の制約、親族への配慮など、様々な事情で結婚式を挙げない選択をするカップルも増えています。

メリット	デメリット
費用を抑えられる	祝福や共有の機会が少ない
時間的な制約が少ない	親族の理解を得にくい場合がある
負担が少ない	後々、結婚式をしたくなる可能性

上記のようにメリット・デメリットを比較検討し、後悔のない選択をすることが大切です。

フォトウェディングは、お二人の大切な時間を写真という形に残す、かけがえのない機会です。だからこそ、事前の準備やイメージの共有、そしてパートナーとの十分な話し合いが、最高の思い出を作るための鍵となります。

結婚式の有無に関わらず、”結婚”という人生の大きな節目をどう祝うかは、お二人にとって大切な決断です。周囲の意見に惑わされることなく、自分たちらしい選択をすることで、心から満足できる思い出となるでしょう。

これからフォトウェディングを検討されている方は、ぜひこの記事を参考に、後悔のない選択をしてください。そして、お二人の未来が、幸せに満ち溢れたものとなりますように。